シェアオフィスとは?定義やメリット・デメリット、選び方のポイントまで解説
働き方の多様化にともない、オフィスの持ち方を見直す企業が増えています。中でも注目されているのが「シェアオフィス」です。本記事では、シェアオフィスの定義や基本的な仕組みから、レンタルオフィス・コワーキングスペースとの違い、利用するメリット・注意点、そして選び方のポイントまで体系的に解説します。
目次
シェアオフィスとは
シェアオフィスとは、会議室やラウンジなどの共用施設を複数の企業・個人でシェアし、必要に応じて専用の個室も契約できるオフィス形態です。個室空間を確保しながら共用部も活用できるため、プライバシーと利便性を両立しやすい点が特徴といえます。
ただし、業界内でも定義が統一されておらず、施設によって名称と実態が異なるケースがあります。契約前に設備・サービス範囲を具体的に確認することが大切です。
シェアオフィスの基本的な仕組みと提供サービス
シェアオフィスの個室には、オフィス家具やインターネット回線があらかじめ用意されている場合もありますが、設備の範囲は物件・事業者によって異なり、家具や回線が含まれないケースもあります。共用部としては会議室、ラウンジ、フォンブースなどが利用可能な施設が多くあります。
このほか、住所利用や法人登記対応といった付帯サービスを提供する施設もあります。郵便物の受け取りや受付対応については、有人管理の施設に限られる場合があるため、事前の確認が必要です。基本料金に含まれるものとオプション扱いのものは施設ごとに異なるため、入居前の確認が欠かせません。
シェアオフィスが注目される背景
2016年に政府が働き方改革実現会議を設置し、働き方改革の推進が本格化しました。その後コロナ禍でリモートワークが急速に普及したことも重なり、オフィスのあり方は大きく変化しています。特にハイブリッドワークが定着した現在、「どこでも働ける時代だからこそ、行きたくなるオフィス」が求められています。
全社員分の固定席を持つ従来型のオフィスではなく、必要なときに集まれる柔軟な拠点としてシェアオフィスを選ぶ企業が増加傾向にあります。
他のオフィス形態との違い
シェアオフィスと混同されやすい各オフィス形態との違いを整理します。名称と実態が一致しないケースもあるため、呼び名に引っ張られず設備・サービス範囲で比較することが重要です。
レンタルオフィスとの違い
レンタルオフィスは、専用の個室を利用できる点ではシェアオフィスと共通します。ただし、会議室・ラウンジなどの共用施設はシェアオフィスほど充実していないケースが多く、共用部の充実度が両者を分ける大きなポイントといえます。
共用施設をシェアするシェアオフィスは面積効率の向上や固定費の最適化を図りやすい一方、会議室の混雑が生じる可能性もあります。「共用施設がどこまで必要か」「来客・会議の頻度はどれくらいか」を軸に判断するのが効果的です。
関連記事:レンタルオフィスとは?メリット・デメリット、料金や選び方まで徹底解説
コワーキングスペースとの違い
コワーキングスペースは、オープンな共有ワークスペースを複数人で共同利用する形式で、基本的に固定の個室を持ちません。フリーアドレスが基本となるため、周囲の物音や情報漏洩リスクなどのデメリットがある反面、利用者同士の交流やコミュニティ形成のメリットもあります。
プライバシーを重視しつつ個室で集中したい場合はシェアオフィスが適しています。
バーチャルオフィスとの違い
バーチャルオフィスは、物理的な作業スペースを提供せず、住所貸しや郵便物転送などオフィス機能のみを提供するサービスです。法人登記など事業用住所としての利用は可能ですが、実際に仕事をする場所がない点がシェアオフィスとは決定的に異なります。コストは低い一方、作業スペースを必要とする場合はシェアオフィスのほうが適しています。
サテライトオフィス・サービスオフィスとの違い
サテライトオフィスは本社とは別の拠点として活用するオフィスで、サービスオフィスは内装や受付サービスが手厚いオフィス形態です。起業時に混同されがちですが、「登記」「実体」「対外信用」の観点から自社に合った形態を見極めることが大切です。
関連記事:サービスオフィスとは 定義やメリット・デメリット、シェアオフィスとの違いまで解説
シェアオフィスを利用するメリット

シェアオフィスの利用で得られる代表的なメリットを、企業側・従業員側の双方の視点から整理します。
初期費用・ランニングコストの削減
一般的な賃貸オフィスでは敷金・礼金・内装工事費など多額の初期費用が発生します。一方、シェアオフィスはあらかじめ内装や什器が整っていることが多く、入居準備の負担を軽減しやすい傾向にあります。
月額利用料中心で契約できるケースもあり、創業期や拡張期でも資金を事業投資に振り向けやすくなります。
好立地にオフィスを構えられる
シェアオフィスの多くは主要駅やビジネス街の近くに立地しています。共用部をシェアする仕組みにより自社で契約する面積を必要最小限に抑えられるため、好立地でも賃料負担を軽減しやすい点が魅力です。
マンションの一室を事務所として利用する場合と比べて、オフィスとしての体裁が整った住所を確保できることもメリットといえます。立地の良さは取引先へのアクセス性だけでなく、法人登記時の住所としての信用力や従業員の通勤負担軽減にもつながる重要な要素です。
契約後すぐに業務を開始できる
シェアオフィスにはオフィス家具やインターネット環境が備え付けられており、契約後すぐに業務を開始できます。一般的な賃貸オフィスでは内装工事やインフラ整備に数週間~数か月を要するのが一般的ですが、シェアオフィスなら短期間で稼働できるケースが多く、スピード感が求められるスタートアップにも適しています。
事業規模の変化に応じた柔軟な対応が可能
人数増減に応じて個室を借り増し・縮小したり、短期間のプロジェクトだけ利用したりと、柔軟に調整しやすい傾向があります。中途解約の可否や解約予告期間などの条件を事前に確認しておけば、将来の移転・拡張にも備えやすくなります。
出社意欲を高める空間設計という新たな価値
ハイブリッドワーク時代において、従業員が自発的に出社したくなる空間づくりは経営課題の解決策として注目されています。ホテルライクな共用ラウンジ、集中ブース、ウェルネス要素(緑視率・BGM・フレグランスなど)を備えたシェアオフィスの共用部は、出社率の向上や組織力の強化にも寄与する可能性があります。
他の利用者との交流機会
シェアオフィスでは、共用ラウンジやイベントスペースを通じて他社の利用者と自然に接点が生まれることがあります。業種や規模の異なる企業が同じ空間で働くため、情報交換や協業のきっかけにつながるケースも珍しくありません。特にスタートアップや少人数のチームにとっては、社外のネットワークを広げる貴重な場になり得ます。ただし、交流の活発さは施設の運営方針やコミュニティの雰囲気に左右されるため、入居前の見学時に利用者層や共用部の使われ方を確認しておくとよいでしょう。
シェアオフィスを利用する際の注意点
利用にあたって事前に理解しておくべき注意点を整理します。各項目に対策も併記しているため、施設選びの判断基準として活用してください。
セキュリティ面のリスクと対策
個室型であっても周囲には他社が入居しているため、共用部での情報漏洩には注意が必要です。共用ラウンジでの会話が聞こえる、壁の厚みによっては音漏れが発生するといったリスクが考えられます。
一方で、ICカードキーによる個室施錠や防犯カメラ、機械警備による入退室管理などセキュリティ対策が充実した施設も増えています。施設選定時には具体的なセキュリティ設備を確認しましょう。
共用施設の混雑や利用制限
共用施設(会議室・ラウンジなど)は他社と共有するため、繁忙時間帯に混雑や順番待ちが発生する場合があります。対策としては、会議室の数やサイズ、予約の取りやすさを事前に確認し、集中ブースやフォンブースなど用途別のスペースが充実した施設を選ぶことが有効です。
住所を共有するリスクを理解する
シェアオフィスで法人登記を行った場合、同じ住所に複数の法人が登記される可能性があります。取引先が住所を検索した際に他社名が表示されるケースもゼロではありません。
ただし、シェアオフィスでは専用の個室を確保できるため、バーチャルオフィスなどと比べて実体が伴いやすいのも事実です。BtoB取引が中心の事業では住所の見え方にも配慮するとよいでしょう。
シェアオフィスの選び方・失敗しないための確認ポイント

シェアオフィスを選定する際は、「専用スペースがどこまで必要か」「来客・会議の頻度はどれくらいか」を軸に、設備・サービス範囲を比較することが重要です。
立地・アクセスの利便性
通勤の利便性に加え、顧客や取引先の来訪のしやすさも考慮しましょう。最寄り駅からの距離や主要ターミナル駅へのアクセスは、従業員・顧客双方の負担に直結します。住所が持つブランドイメージも選定時の検討材料になります。
設備・共用スペースの充実度
会議室の数やサイズ、共用ラウンジの広さや営業時間、複合機やロッカーなど付帯設備の充実度は施設ごとに大きく異なります。あわせて、個室の仕様(個別空調の有無、カスタマイズ対応の可否)やインターネット回線の速度・安定性も、日常業務の快適性に直結する確認ポイントです。
法人登記・住所利用の可否と条件
施設や契約プランによって法人登記への対応可否は異なります。「住所利用」と「法人登記」が別扱いの場合があるほか、人材派遣・不動産など許認可が必要な業種では事務所要件を満たせないケースもあります。
運営会社の事業安定性もあらかじめ確認しておきましょう。撤退・閉鎖時には本店所在地の変更登記が必要になります。なお、登記時の住所表記は契約書の記載と同じ表記で統一することが基本です。
関連記事:シェアオフィスで法人登記するメリット・デメリットとオフィス選びのポイント
入居後の満足度を左右する「空間の質」を見極める
機能面の要件を満たした上で、内装のテイストや清潔感、BGM・照明・フレグランスといった細部のこだわりも働きやすさに影響します。採用活動や来客対応での印象、従業員の出社意欲にもオフィス空間の質は直結するため、「ここで働きたい」と思える空間かどうかが長期的な満足度を左右します。
ハイブリッドワークで「出社の意味」を設計する
出社が形骸化しないよう、出社の目的を「合意形成」「育成」「ブレスト」などに分解し、会議室・ラウンジ・集中ブースを使い分ける運用が効果的です。拠点をコストではなく成長への投資と捉えることで、オフィス選びの判断基準も変わります。
シェアオフィス利用の流れ

シェアオフィスの利用を検討してから契約に至るまでの一般的な流れを整理します。施設によって細部は異なりますが、大まかなステップを把握しておくとスムーズに進めやすくなるでしょう。
情報収集・比較検討
まずは立地、料金、設備、契約条件などの観点から候補を絞り込みます。各施設のWebサイトで基本情報を確認し、自社の優先事項(アクセス性、個室の広さ、共用設備の充実度など)と照らし合わせて比較しましょう。
内覧・見学
候補を2~3拠点に絞ったら、実際に内覧を申し込みます。Webサイトや写真だけでは分からない共用部の雰囲気、個室の防音性、利用者層の印象などを体感できる重要なステップです。会議室の広さや予約の取りやすさ、受付スタッフの対応なども確認しておくと入居後のギャップを防げます。
申し込み・審査・契約
入居先が決まったら申し込みに進みます。多くのシェアオフィスでは簡単な入居審査があり、事業内容や利用目的を確認されるケースが一般的です。契約時には、月額料金に含まれる範囲やオプション費用、解約予告期間などの条件を改めて確認し、不明点があれば契約前に解消しておくことが大切です。
シェアオフィスが向いている企業・利用シーン
ここまでの情報を踏まえ、シェアオフィスの利用が特に適している企業の特徴を整理します。
スタートアップ・創業期の企業
初期費用を抑えながら法人登記用の住所を確保でき、共用の会議室や来客対応スペースも利用できるため、企業としての信用力を早期に構築しやすくなります。事業の拡大に応じて個室を借り増しできる柔軟性は、人員や資金が変化しやすい創業2~10年の企業にとって大きな利点です。
ハイブリッドワークを導入している企業
全社員分の固定席を持たず必要なときだけ集まれるシェアオフィスは、ハイブリッドワークとの相性に優れた選択肢です。席数以上のメンバーにカードキーを付与して柔軟に運用できるケースもあり、オフィス空間の有効活用につながります。
定例会議やオンボーディングの場として共用ラウンジや会議室を活用すれば、対面コミュニケーションの質を維持しやすくなります。
採用力・組織力を強化したい成長期の企業
面接時の第一印象や入社後の従業員満足度に、オフィスの質は直結します。上質なデザインのシェアオフィスを選ぶことで、一般的な賃貸オフィスよりもグレードの高い共用ラウンジや個室空間を確保しつつ、コストを合理的に抑えるという選択肢が生まれます。
まとめとNOW/HEREのご紹介(新宿四谷・北新宿・横浜関内)

シェアオフィスは、共用施設をシェアすることで空間効率を高めながら、必要に応じて専用の個室も確保できるオフィス形態です。コスト削減や好立地、即入居、柔軟な契約といったメリットがある一方、セキュリティや共用部の混雑といった注意点も理解した上で、自社に合った施設を選ぶことが大切です。
サンケイビルが運営するシェアオフィスNOW/HERE(ノーウェア)は、共用スペースのシェアによる空間効率と、会議室や集中ブースなど「集まって働く」ための機能性を両立した環境です。個室内の個別空調や高いセキュリティ、無料Wi-Fiなど基本品質の高さも特長です。
- NOW/HERE新宿四谷 — 新宿・四ツ谷エリアに位置し、アクセス性に優れたブランドの中核拠点
- NOW/HERE北新宿 — 西新宿エリアからもアクセスしやすい拠点
- NOW/HERE横浜関内 — 横浜の官庁街に位置し、士業ニーズにも対応する拠点
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