レンタルオフィスの防音対策|選び方と確認ポイントを徹底解説
Web会議や機密性の高い商談が日常的になり、「自分の声が周囲に漏れていないか」「打ち合わせの内容が他のテナントに聞こえていないか」を気にする方が増えています。レンタルオフィスやシェアオフィスを検討する際、防音性は見落とされがちですが、入居後の働きやすさを大きく左右する要素です。
防音性の判断軸を持たないまま物件を決めてしまうと、入居後に「Web会議のたびに声を潜めなければならない」「隣室の話し声が気になって集中できない」といった音環境のミスマッチに悩まされることがあります。その原因の多くは、建物の構造や建材、レイアウトといった防音性を左右する要素を、契約前に見極められていない点にあります。
本記事では、レンタルオフィスで防音性が重視される背景から、音漏れが起きる仕組み、物件選定時に確認すべきチェックポイント、入居後にできる追加対策までを体系的に解説します。
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目次
レンタルオフィスで防音性が重視される背景

近年、レンタルオフィスやシェアオフィスを選ぶ際に、防音性を重視する利用者が増えています。その背景には、働き方の変化と、オフィスで扱う情報の質の変化があります。まずは、防音性が選定軸の上位に上がってきた理由を整理しておきましょう。
ハイブリッドワーク定着でWeb会議が業務の中心になった
リモート参加と対面参加が混在するハイブリッドワークが定着し、オフィスにいながらWeb会議に参加する場面が日常的になりました。社内ミーティングだけでなく、顧客との商談や採用面接までオンラインで実施するケースも珍しくありません。
こうした状況では、自分の声が周囲に漏れない環境が、業務を円滑に進めるための前提条件になりつつあります。声を潜めながらの会議では話に集中できず、相手にも聞き取りにくさが伝わってしまいます。
機密情報・個人情報の保護意識の高まり
採用面接での候補者情報、顧客の個人情報、士業による法律相談、コンサルティングでの戦略議論など、機密性の高い会話を伴う業務は幅広い業種に存在します。近年は個人情報保護への意識が高まり、こうした会話を第三者に聞かれない環境づくりが、これまで以上に重視されるようになりました。
会話の内容が外部に漏れてしまうと、情報漏えいやコンプライアンス違反につながりかねません。一度損なった信用を回復するには大きなコストがかかるため、会話が外部に届かない防音環境が求められます。
集中して業務に取り組む環境としての評価
雑音や他人の会話が断続的に耳に入る環境では、集中力が削がれ、生産性の低下につながります。防音性は、情報を守るためだけでなく、業務に集中できる環境を整えるうえでも欠かせない要素です。
一方で、完全に無音であればよいとは限りません。適度な暗騒音やBGMがある方が、かえって集中しやすいという考え方もあります。求められるのは単なる無音化ではなく、業務内容に合った適切な音環境を整える視点が欠かせません。
レンタルオフィスで音漏れが発生する主な原因
防音性の高い物件を選ぶには、まず音漏れがなぜ起きるのかを理解しておくと役立ちます。レンタルオフィスでの音漏れは、大きく「建物や建材に起因するもの」と「共用部から侵入するもの」の2つに分けて考えられます。
建物の構造と仕切り壁・天井の素材
建物の構造によって、遮音性能は大きく異なります。一般的に、鉄筋コンクリート(RC)造は鉄骨造や木造に比べて遮音性能が高い傾向があります。RC造のなかでも、壁そのもので建物を支える壁式構造は、柱と梁で支えるラーメン構造より遮音性に優れるとされています。
ただし、建物全体がRC造でも、室内を仕切るパネルが薄かったり、天井裏に隙間があったりすると、そこから音が漏れることがあります。仕切り壁の内部にグラスウールや防音シートを施している物件もあり、内装の素材レベルで防音性能は大きく変わります。完全個室であっても壁の中身までは見た目で判断しにくいため、注意が必要です。
共用部・廊下からの音の侵入
個室そのものの遮音性が高くても、共用部から音が侵入することがあります。ラウンジでの会話、廊下を歩く足音、エレベーターホールでの談笑などが、扉の隙間や動線を通じて個室に届くケースです。
共用部の活気と個室の静かさは、必ずしも簡単に両立するものではありません。共用部と個室の距離や動線の設計、扉の気密性によって、そのバランスは大きく変わります。ラウンジが充実している物件ほど、個室との位置関係を確認しておくことが大切です。
遮音と吸音の違いを理解しておく
防音という言葉は広く使われますが、実際には「遮音」と「吸音」という異なる性能から成り立っています。両者は混同されがちですが、目的に応じて重視すべき要素が変わります。違いを理解しておくと、物件を見学する際に何を確認すべきかの判断軸を持てます。
遮音:音を外に漏らさない・外から入れない
遮音は、壁や床、扉が音を遮断する性能を指します。音を室外に漏らさず、外部の音を室内に入れない力のことで、D値(Dr値)という指標で表されます。
個室オフィスでは、Dr-40からDr-50程度が一つの目安とされるケースが多く見られます。ただし、公表している水準は事業者によって異なり、そもそも数値を公開していない物件も少なくないため、あくまで参考値として捉えるとよいでしょう。
吸音:室内の反響を抑える
吸音は、室内で発生した音の反響を抑える性能です。声がこもったり必要以上に響いたりするのを防ぐ役割があり、カーペットやカーテン、吸音パネルといった内装によって調整されることが多くあります。
吸音が適切に効いた部屋では、Web会議で自分の声が相手に聞き取りやすく伝わるという利点もあります。遮音が外との関係を担うのに対し、吸音は室内の音環境を整える役割を持ちます。
用途に応じて重視すべきポイント
重視すべき性能は、用途によって変わります。Web会議や商談の声を外に漏らしたくないなら遮音性を、室内での音声品質を高めたいなら吸音性を優先するとよいでしょう。
理想は両方を備えた個室ですが、すべてを一室で満たすのが難しい場合は、遮音性の高い共用のフォンブースや会議室を併用するという考え方もあります。自社の業務でどちらがより重要かを整理しておくと、物件選びの軸が明確になります。
防音性の高いレンタルオフィスを選ぶチェックポイント

ここからは、実際に物件を比較する際に確認したいポイントを整理します。複数の物件を同じ視点で見比べることで、防音性のミスマッチを防ぎやすくなります。まず全体像を一覧で押さえておきましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 個室の形態 | 完全個室か、半個室・ブースか |
| 建物の構造・築年数 | RC造か、鉄骨造か、築浅か |
| 壁・扉・窓の素材と気密性 | 防音材の有無、扉の気密性、二重サッシの有無 |
| レイアウト・周辺利用者 | 区画の位置、周囲の業種傾向 |
| 共用設備 | 防音会議室・フォンブースの有無と台数 |
個室の形態(完全個室/半個室/ブース)を確認する
個室と一口に言っても、天井まで仕切られた完全個室、パーテーションで区切った半個室、簡易的なブースなど形態はさまざまで、防音性は大きく異なります。
機密性の高い会話やWeb会議が多い場合は、天井まで壁で仕切られた完全個室を優先するのが基本です。半個室やブースは開放感やコスト面で利点がありますが、上部が開いた構造では音が抜けやすい点に留意しましょう。自社の業務でどの程度の防音性が必要かを基準に選ぶことが大切です。
関連記事:レンタルオフィスとは?メリット・デメリット、料金や選び方まで徹底解説
建物の構造・築年数を確認する
建物の構造は、遮音性能に直結します。RC造か、鉄骨造か、木造かを確認してみるとよいでしょう。
築年数も一つの目安になります。新築やリノベーション物件では、設計段階から防音性能を考慮しているケースも多く見られます。ただし築古でも、しっかりした構造で建てられた建物や、後から防音改修を施した物件もあるため、築年数だけで判断せず、実際の構造とあわせて確認することが大切です。
壁・扉・窓の素材と気密性
防音性能は、見た目では分かりにくい部分に大きく左右されます。壁の内部にグラスウールや防音シートが入っているか、扉が重量のあるつくりで隙間を埋めるパッキン処理がされているか、窓が二重サッシになっているか、といった点です。
これらは外観からは判断できないため、気になる場合は運営担当者に直接確認するのが確実です。特に扉は、壁の遮音性能が高くても隙間があると音が漏れやすいため、閉めたときの気密性を確かめておきましょう。
レイアウトと周辺利用者の傾向
同じ建物内でも、区画の位置によって音環境は変わります。ラウンジやエレベーターから離れた区画、角部屋などは、共用部の音の影響を受けにくい傾向があります。
また、周囲の利用者の業種も体感に影響します。営業電話やオンライン配信、カスタマーサポートなど声を出す業務が多い物件と、静かに作業する利用者が中心の物件とでは、聞こえてくる音の量が異なります。多くの場合、運営担当者に問い合わせれば、入居者のおおまかな業種傾向を教えてもらえます。
会議室・フォンブースなど共用設備の充実度
個室の防音性だけでなく、共用設備の充実度も確認したいポイントです。Web会議や商談を個室の外で行いたい場面に備え、防音性能の高い会議室や1人用の個室ブース(フォンブース)が用意されているかをチェックしましょう。
特にフォンブースは、短時間のWeb会議や電話を周囲を気にせず行える設備として便利です。台数が十分にあるか、予約なしでも使いやすいかも、あわせて確認しておくと安心です。
業種・職種別に必要となる防音レベルの目安
必要な防音レベルは、業務内容によって異なります。すべての業種に最高水準の防音が必要なわけではなく、自社の業務に応じた目安を持つことで、過不足のない物件選びができます。
士業・コンサル・カウンセラーなど機密性の高い業務
弁護士や税理士、社会保険労務士、キャリアコンサルタント、心理カウンセラーなど、顧客情報の機密性が極めて高い業務では、最も高い防音水準が求められます。
相談内容が隣室や廊下に漏れることは、信頼関係に関わる重大な問題です。天井まで仕切られた完全個室に加え、遮音性の高い扉、専有部内で打ち合わせができるスペースを確保できると安心です。来客との面談が多い場合は、防音性の高い会議室が使えるかもあわせて確認しておきましょう。
関連記事:レンタルオフィスは士業の事務所に使える?メリット・注意点・選び方を徹底解説
採用・人事・営業など機密性と会話量の多い業務
採用面接や人事業務での候補者情報の取り扱い、営業やカスタマーサポートでの顧客対応など、機密性と会話量の両方が業務の中心となる職種もあります。
このような業務では、自分の声が外に漏れるリスクと、周囲の音が通話相手に届くリスクの両方に配慮する必要があります。完全個室に加えて、フォンブースや会議室を柔軟に使い分けられる環境が向いています。フォンブースの台数や予約のしやすさも、判断材料になります。
配信・動画撮影・録音などコンテンツ制作
ポッドキャストやYouTube、オンラインセミナーの配信など、音そのものが成果物の品質を左右する業務では、特に吸音性の高さが重要になります。
一般的な個室では、反響や環境音が入り込み、収録には不十分なケースもあります。こうした用途では、収録に対応した環境が用意されているかを確認するか、必要に応じて吸音対策を自分で施すことも検討するとよいでしょう。
内覧で音環境を見極めるポイント
物件の防音性を最も確実に判断できるのは、実際に足を運ぶ内覧です。資料や写真では分からない音環境を、自分の感覚で確かめましょう。限られた内覧の機会を有効に使うために、見るべきポイントと運営担当者への質問を事前に整理しておくのがおすすめです。
個室に入って自分の耳で確かめる
候補となる個室に入り、扉を閉めた状態で、廊下の話し声や隣室の音、空調の動作音などがどの程度聞こえるかを確かめましょう。実際にその場に立つことで、資料では分からない体感的な静かさを確認できます。
可能であれば、その場で短く声を出してみると、自分の声がどの程度響くか、外に漏れそうかをイメージしやすくなります。共用部やラウンジにも立ち寄り、にぎやかさの程度と個室との位置関係を確認しておくと、入居後のギャップを防げます。
運営担当者に確認したい5つの質問
見た目では分からない部分は、内覧時に運営担当者へ直接質問するのが確実です。次のような項目を事前に準備しておくと、限られた時間で必要な情報を引き出せます。
- 壁や扉の構造、防音のために施している対策
- 個室内でWeb会議や電話を行って問題ないか
- 防音性能の高い会議室やフォンブースの有無と利用方法
- 入居しているテナントのおおまかな業種傾向
- 過去に音に関するトラブルや相談がなかったか
これらを確認しておくことで、入居後の音環境をより具体的にイメージできます。気になる点は遠慮せず質問し、納得したうえで契約に進みましょう。
完全個室でも音漏れが気になる場合の追加対策
完全個室を契約しても、業務内容や状況によっては、さらに音環境を整えたい場面があるかもしれません。ここでは、入居後に取り入れやすい追加の対策を紹介します。
卓上の吸音パネル・パーテーションを設置する
机の上に置くタイプの吸音パネルや簡易パーテーションを使うと、自分の声の反響や漏れを手軽に抑えられます。設置や撤去が簡単で、レイアウトを大きく変えずに導入できるのが利点です。
特にWeb会議の際、マイクの近くに吸音パネルを置くと、声がこもらず相手に届きやすくなる効果も期待できます。
ノイズキャンセリング機能のマイク・ヘッドセットを使う
ノイズキャンセリング機能を備えたマイクやヘッドセットも有効です。マイク側の機能が自分の声に乗る周囲の雑音を相手に伝えにくくし、ヘッドホン側の機能が周囲の音を抑えるため、双方向で通話に集中しやすくなります。
比較的低コストで導入でき、効果を実感しやすいのも利点です。個室の防音性を補う手段として、まず試してみる価値があります。
機密性の高い会話は会議室・フォンブースに移動する
個室を契約していても、特に機密性の高い打ち合わせや長時間のWeb会議は、防音性能の高い会議室や個室ブースに移動するという使い分けが有効です。
日常業務は個室で行い、重要な会話は専用の防音設備を使うことで、無理なく高い機密性を確保できます。こうした共用設備が充実しているかどうかは、物件選びの段階で確認しておくとよいでしょう。
まとめとNOW/HEREのご紹介(新宿四谷・北新宿・横浜関内)

レンタルオフィスの防音性は、Web会議や機密性の高い業務が当たり前になった今、オフィス選びで見逃せない要素です。防音性を見極めるには、遮音と吸音の違いを踏まえ、個室の形態や建物の構造、共用設備の充実度までを立体的に評価することが大切です。
そして、完全個室と防音性の高い共用ブースを組み合わせて使い分けるという視点を持つと、自社の業務に合った環境を選びやすくなります。気になる物件があれば、実際に内覧して音環境を自分の感覚で確かめることをおすすめします。
シェアオフィスのNOW/HERE(ノーウェア)は、防音や集中環境を重視する方に適したオフィスです。3拠点はいずれもRC造・SRC造の建物で、天井まで仕切られた完全個室のルームプランを用意しています。加えて、Web会議や電話に使えるフォンブース、完全個室の会議室など、業務内容に応じて使い分けられる設備が整っています。
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